【モテ期到来】




ご機嫌になったアカリは服屋に入ってあれこれと洋服を物色し始めた。




「太一はどんなのが好み?」




「ん~…ワンピースとか?」




「こういうヤツ?」




「う~ん…じゃなくて、こういうの!」




俺の好みを聞かれたから正直に答えて手渡したんだ…ヒラヒラしたワンピースを。




「…着たことない…」




「着てみたら?」




アカリはフィッティングルームに入ったから俺はしばし待つ。




そしてカーテンが開いて可愛いワンピースを着たアカリが姿を現した。




「…どうかな…?」




「…似合わないな。」




感想を聞かれたから素直に答えたら、アカリがムッとして俺を睨むと無言でカーテンを引いた。




…今のは完全にキレてた。




「ア、アカリ~?」




「…太一なんか嫌いだ!」




うわっ…拗ねてるし!




元の服に着替えたアカリはワンピースを元の場所に戻すと無言で去って行く。




俺は慌ててアカリの後を追うと、彼女を覗き込んだ。




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