【モテ期到来】




台所の流しで一人鼻歌を歌いながらカチャカチャと食器を洗う。




ちょっと「新婚っぽい?」なんて思ってこっそり赤面してたら、太一が台所に入って来て慌てて平静を装う。




冷蔵庫からオレンジジュースを取り出して「アカリ、コップがない」っていうから洗ったばっかのコップを渡した。




「自分で拭いてね~」




「ん。…お前も飲む?」




「飲む~!注いどいて~」




太一は「はいはい」と言いながらテーブルでオレンジジュースを注いでいた。




そんなに広くないスペースに余計ドキドキしちゃって…。




ふと後ろから手が伸びたからびっくりしたけど、ちょっと期待しちゃう私。




…が、その期待とは裏腹に太一はフックにフキンを掛けただけでガッカリした。




「…なに、期待してんだよ。」




「し、してないもん!」




「顔真っ赤だし。…こっちが恥ずかしくなるから止めろよな~!」




クスッと笑いながらオレンジジュースの入ったグラスを手に居間に戻る太一。




< 162 / 213 >

この作品をシェア

pagetop