【モテ期到来】




さりげなく太一との間を詰めるが彼は気付いていないらしい。




「…犯人はあの女じゃねぇ?」




「…どの女?」




適当に返答して更に間を詰める。




「向かいの家に住んでる女だよ。」




「ん~…そうかな~…」




もう少し…。




「だって怪しいじゃん。」




そうこう話しているうちに太一との距離は無くなってピッタリくっついた私。




さすがに太一もそんな私に気付いてこっちを見た。




「…………」




「…狭いんだけど…」




「…太一。判んない?」




「…なに?…犯人なら…」




「犯人はいいから!」




なんで太一ってこう鈍いのか…




「…太一…」




「…な、なに?…」




にじり寄って顔を近付ける私に、顔を真っ赤にして焦る太一。




「ちょ、ちょっと…アカリ!?」




たじたじの太一の反応が面白くて私の悪戯心に火が点いた。




< 164 / 213 >

この作品をシェア

pagetop