【モテ期到来】




納得いかないけど、別に太一を信じてないわけじゃない。




それに白石もいいヤツだし、太一の立場も考えたらここは頷くべきだろう。




…が、そんなもん知ったこっちゃないっつーの!!




「馬鹿!行きたきゃ行け!!…もう帰るから!!」




何か涙出そうだったけど、太一の前では泣きたくなかった。




だからそのままカバンを掴んで外に飛び出した。



何度も太一に送って貰ってるから帰り道も判る。




私は大通りまで全力疾走すると、歩道をトボトボと歩く。




ひとりになると悔しさと悲しさが込み上げて来て、涙がボロボロ溢れた。




「…アカリ!!」




太一の声が聞こえたけど、私は振り向かなかった。



チャリで追いかけて来たらしい彼は私の前に回り込むと、歩道を塞いだ。




「ごめん!!そんな泣くほど嫌だと思わなかったんだよ…」




「………行きたきゃ行けば?」




「行きたくねぇよ!!ずっと断ってたんだ…」




暗くて表情が掴めないけど、多分困惑してる。



< 167 / 213 >

この作品をシェア

pagetop