【モテ期到来】
納得いかないけど、別に太一を信じてないわけじゃない。
それに白石もいいヤツだし、太一の立場も考えたらここは頷くべきだろう。
…が、そんなもん知ったこっちゃないっつーの!!
「馬鹿!行きたきゃ行け!!…もう帰るから!!」
何か涙出そうだったけど、太一の前では泣きたくなかった。
だからそのままカバンを掴んで外に飛び出した。
何度も太一に送って貰ってるから帰り道も判る。
私は大通りまで全力疾走すると、歩道をトボトボと歩く。
ひとりになると悔しさと悲しさが込み上げて来て、涙がボロボロ溢れた。
「…アカリ!!」
太一の声が聞こえたけど、私は振り向かなかった。
チャリで追いかけて来たらしい彼は私の前に回り込むと、歩道を塞いだ。
「ごめん!!そんな泣くほど嫌だと思わなかったんだよ…」
「………行きたきゃ行けば?」
「行きたくねぇよ!!ずっと断ってたんだ…」
暗くて表情が掴めないけど、多分困惑してる。