【モテ期到来】







「もしかしたらその言い寄って来た女の子がスッゴい美人だったら?」




「それでもやっぱりアカリがいいって思うよ、きっと。…だって女に合わせるのは面倒くさいし。」




「…私も女なんだけど~」




太一は「そうだった」と笑った。




「アカリに合わせるのは不思議と面倒くさくないんだよ。…多分、波長が合ってんだろうな。」




確かに太一は私の前では最初から自然だった。




だから時々私の事を女の子として見てないんじゃないかって不安になる。




「…さっきアカリが言った事…俺もそうだったよ。」




「さっき言った事?」




「だ…だから、その…お、俺も“キスしたい”って思ってたから!」




しどろもどろになりながら顔を背けたままそう言う太一は、暗くても判るくらい耳まで真っ赤だった。




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