【モテ期到来】




太一は一応3年で受験生だから、「そろそろ勉強しないと」と言って部屋に籠りがちだ。




だから私が太一の家に行っても、ろくに会話も出来ない。




本人は専門学校に行きたいみたいだが、太一パパが進学を薦めているらしい。




「親父は俺に大学野球をやらせたいんだよ…自分が出来なかったからさ。」




それだけ太一パパは彼に期待してるみたい。




乗り気じゃないと言っていた太一もセンター試験は受けると言っていた。



「受かるか判んないし、受かったとしても行くか判んない。」




そんな太一の言葉を聞いて、私はわがままを言えなくなった。




「大学受験って大変だねぇ~…」




「みたいね~。ノブも受験するみたいだし、うちらほったらかしだね~」




あっちゃんはおーもとの事をノブって呼ぶ。




この二人、意外と仲良くて羨ましい。




…あっちゃんに言わせると「アカリ達には敵わない」らしいけど。




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