【モテ期到来】
八木澤は中庭のベンチに座ると「座ったら?」と隣を指差した。
少し間を空けて座る私。
ヘンに意識しちゃって、「うん」って言った声が上ずる。
「…あんま回りくどいの嫌いだから、単刀直入に言うな?」
「…な、なに?」
ドキドキ煩い胸の鼓動。
「…お前の彼氏、浮気してるかもしれない。」
…………えっ?
八木澤の予想外の“告白”…違う、これは“告発”だ。
「…八木澤、からかってるの?」
「からかってねぇよ!…俺…この前、噂を聞いたんだ。」
八木澤の聞いた噂は中学の同級生の女友達から聞いたものだった。
学校帰りに駅でばったり会った彼女とした他愛ない話…その中で中央高校の“眞島太一”の話が出たと八木澤は言った。