【モテ期到来】
「最初“眞島太一”って知ってるか?って聞かれたんだ。…彼女、眞島さんに会ったって言うんだよ。」
「太一に?…どっかですれ違ったとかじゃなくて?」
「いや…合コンの席に居たって…」
…………“合コン”…?
何かの間違いじゃ…?
太一から“合コン”って言葉が出たのは1ヶ月くらい前で、あの時ケンカになって…。
「…友達はなんて言ってたの?」
「噂通りでモデルみたいだったって…。」
「…それだけ?」
私が聞くと八木澤は言いづらそうな顔をした。
「…その時、一緒に合コンに行った彼女の友達が、眞島さんを追って途中で帰ったって…。」
…どういう事?
「…翌日聞いたら“あの後、眞島さんと二人で遊んだ”って…。つまり…」
「嘘よ!!…あの太一があり得ない!!」
声を荒げた私を八木澤は哀れみの眼差しで見詰める。
「“一緒に遊んだ”のが嘘だったとしても、俺の友達は嘘をつくようなヤツじゃないよ。」
そんな嘘をついても、なんのメリットもないと八木澤は言った。