【モテ期到来】




「…太一、“合コン”…行った?」




お願い!“行ってない”って言って…!




「………誰に聞いた?」




私の思いとは裏腹に太一が言った言葉に我慢していた涙が溢れた。




「…ごめん…行った…でもそれは…」




「私に嘘ついたの…!?」




「頼むから聞けって!!」




「聞きたくない!!」




泣きながら叫ぶ私。




「…太一、今は受験で忙しい時期でしょ?…私、邪魔しないから安心して勉強して。」




「……どういう意味?」




「……太一……“距離を置こう”」




黙る太一に私は「じゃあ」と言って電話を切った。




こんな事、言うつもりじゃなかったのに…!?




太一が私に嘘をついた事で彼を信じきれなくなった。




……意外に私ってメンタル弱かったんだ…。




そんなどうでもいい事に気付いて笑えた。




……笑ったのに涙は止まらない。




これからどうしていいのか、私は判らなくなった。




……太一…本当は大好きだよ…。






   ◇◇◇◇◇◇◇◇


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