【モテ期到来】
【お前】
翌日、俺はいつものように寝坊をし、またアカリに電話で起こされた。
「デートの時、毎回寝坊するのはなんで!?」
朝からテンションMAXのアカリに俺は「ん…ごめん」しか言えない。
ダラダラと着替え、ダラダラと用意をする。
「…出掛けるのか?」
「ん…アカリと。」
親父は「そうか」と言ってちょっと微笑む。
俺は“野球”以外に親父を黙らせる言葉を発見した。
“アカリ”だ。
彼女の名前を出せば、とやかく言われる事はないだろう。
チャリでアカリのマンションまで来たが彼女の姿はまだなかった。
「…またこのパターンか…」
俺はアカリに電話を掛けた。
「着いてんだけど~アカリが居ないんだけど~俺待ってんだけど~」
「うるさい!!今行くから!」
そう言って切れた携帯を見て時刻を確認すると時間を計る。