【モテ期到来】
そもそも今時“音楽”なんて高校の授業であるのがおかしいと思う。
そんなの音楽専攻したヤツだけやってればよくないか?
結局、放課後は指導室で反省文を書く。
いつもの如く大本と俺と白石っていう他のクラスのヤツ。
大本と俺は同じ野球部で中学からの付き合いだ。
未だにつるんでるのはそれだけ気が合う証拠だ。
白石は同じクラスになった事はないが部活が同じで、かなりノリがよくて面白い。
今日の“接着剤”も白石のアイデアだった。
白石は最初鍵盤を全部繋ごうとしてたっけ…。
それを思い出して俺は独りクスクスと笑う。
「なんだよ、太一…。気持ち悪いな…」
「いや…あの鍵盤全部繋いでたらどうなってたかなって思ってさ!」
「ぶっ!!反省文じゃ済まねぇだろ、それ!!」
「次は何してやろうか…」
「白石…反省文に次のイタズラのネタ書くのは止めろ!!」
「あ…やっべ!」
教師がいない部屋でまるで反省もせず爆笑する俺達。
自分でもガキだな~って思う。