【モテ期到来】
「…お前さ…俺の事誰にも言うなよ?」
「はぁ!?なにそれ~!」
「お前の高校で“眞島太一は性格悪い”とか根も葉もない噂しそうじゃん、お前…」
「…根も葉もない?よくゆーよ…。」
フンと鼻を鳴らしてジトッと半眼で睨むアカリ。
「…まぁ、コーチしてくれてるし…。いいよ、協力してあげても。」
意外なアカリの言葉に驚く。
「知りたいんでしょ?彼女の事が。なんて名前?」
「…“三国 紗夜香”…本当に協力してくれるんだろうな?」
「信用しなさいよ!その代わり、私にちゃんとコーチしてよ?」
アカリの事をよく知っている訳ではないが、裏表があるようなヤツではない気がする。
ただ、俺がコーチしてコイツが上達するかは謎だ。
…考えようによっちゃ、ずっとアカリが上達しなければそれはそれでラッキーなんじゃないか?
だって俺、女とか疎いし…。