【モテ期到来】
そう思って「判った」と言うとアカリはニッコリ笑って手を差し出した。
握手かと思ったらその手に携帯が握られていて「アドレス交換しよ?」と軽く首を傾げた。
言われるがまま赤外線で連絡先を交換する。
「“約束”だからな!」
「判ってるって!」
「あと、この事は…」
「“秘密”…でしょ?」
「任せて」とアカリは微笑んだ。
「契約成立!…じゃあ早速だけど、私にコーチしてよ!」
…なんか上手いこと乗せられたような気もする。
だってコイツ、本当にドンクサイんだぜ?
しかも、帰りたいのに帰らせて貰えないし…。
気が付けば明日学校だっていうのに既に10時を回っていた。
「…いい加減帰ろうぜ?」
「え~!…仕方ないなぁ…。」
「…そういえば、お前家何処なの?こんな時間まで大丈夫なわけ?」
「ん。近いし、平気!」
俺はちょっと考えて「送ってくよ」と言うとアカリは驚いた表情をした。
「太一が紳士みたい…似合わない…」
「やかましい!!ほら、行くぞ!」
そんな俺の後ろをアカリは跳ねるようについてくるのだった。