【モテ期到来】
俺にしがみついて泣くアカリの頭をヨシヨシと撫でてやる。
ここが駅とは逆方向の公園だったせいか、人が居なくて良かった。
しばらくするとアカリは顔を上げて「ごめんね」と呟いた。
「ばーか。らしくねーんだよ!」
腕でグイグイアカリの目元を拭ってやると「痛い痛い」と顔をしかめた。
俺が泣かせたわけじゃないけど、コイツの泣き顔なんて見たくなかった。
だからいつもの笑顔をしたアカリを見てホッとした。
「腹減ったな。ラーメン食いたくない?」
「食べたい!」
「食おうぜ!お前の奢りで。」
「はぁ!?女の子に奢らせる気!?」
「だからお前は女じゃないって。」
怒って追い掛けて来るアカリから逃げながら歩き出す。
あの時泣いたお前も…
泣いたお前を抱き留めた俺も…
“秘密”にしておこうと思った。
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