【モテ期到来】
「アカリ…俺、紗夜香ちゃんに告白された。」
太一はキャッチボールしながらそう言った。
『やったじゃん!』って返したけど、内心複雑だった。
だって、三国 紗夜香と太一が付き合ったら私なんて邪魔なだけじゃん?
太一は「うん…」と言ったきり、その話題には触れようとしなかった。
何か言いたそうな太一に私はちょっとイラッとした。
だって何も言わないんだもん!
「なによ!言いたい事があるなら言えばいいじゃん!」
「なんかさ…イマイチ、ピンと来ないんだよ…」
「好きなんでしょ?三国 紗夜香が…」
「うん…」
太一はクラブの中でボールを弄びながらそう答える。
「ちょっと休憩。」
木陰の私が敷いたレジャーシートの上に寝転んで長い足を投げ出す太一。
私がそんな太一を覗き込むと、少し顔を赤くしてプイッと顔を背けた。