【モテ期到来】
「付き合うんじゃないの?」
「付き合うよ。好きだし。でも…」
「でも?」
「俺、バッティングセンター行ったり、キャッチボールしたり…そういう時間も好き。」
…それは三国 紗夜香と付き合っても私と遊んでくれるって事かな?
「三国 紗夜香とすればいいじゃん!」
「駄目。彼女野球なんて男のスポーツだと思ってるし、めっちゃインドアだもん。」
はっきり言って、なんでそれなのに“好き”なのか判らない。
三国 紗夜香もなんで真逆の太一を好きなのか判らない。
…いや、判る…かも。
太一は優しい。
三国 紗夜香の前ではどうだか知らないけど、私の前では優しいと思った。
口の聞き方とかは最悪だし、女の私に蹴りとか入れるけど、基本的には優しいのだ。
「もしかして、私を心配して言ってんの?」
「お前なんか心配しねぇし。」
…なんだ…違うのか…。
即答されて、ちょっとガッカリ。