【モテ期到来】
今までお互い言わなかった話題を私は口にした。
「三国 紗夜香となんかあった?」
「…あったような…なかったような…」
「なにそれ…どっちよ。」
遂に空振りをした太一は少し息を整えて私を見て、すぐ下を向いた。
…視線を反らした?
「ぶっちゃけていいか?」
「うん?…なに?」
「俺、お前と居る方が楽しい。」
…えっ!?
「…な…なに言ってんの…?」
「お前は?俺といてつまんねぇ?」
「楽しいよ…?でも、三国 紗夜香は彼女じゃん!」
「ん…そうなんだよな…」
太一はベンチまで戻って来ると、ゴロンと横になった。
「紗夜香ちゃんってさ~…結構ワガママでさ。…まぁ、それは別にいいんだ。」
「うん…」
「たださ、なんでも思い通りになると思ってんじゃないかって…」
「例えば?」
「色々あって言えねぇよ。…でも一番イラッとしたのは、自分意外の女と会うなって強要してきた事かな…。」
太一は天井を見詰めながら溜め息をついた。