【モテ期到来】
「……なに?」
「あんた嫌味?」
「はぁ?」
「私が空振りしてる隣で…頭に来るわね!」
ひどい言い掛かりだ。
無視してバットを振っていると「聞いてんの!?」とまた突っ掛かって来た。
「聞いてないし、聞きたくない。…何なの、お前!」
俺もさすがに頭に来て言い返す。
「こっちの台詞よ!!」
「あー…もしかして、教えて欲しいわけ?」
「べっ…別にそんなんじゃ…」
「あっそ」
会話終了。
─カキーーン…!
─スカッ…
─カキーーン…!
─スカッ…
─カキーーン…!
─スカッ…
「…わかったよ!教えてやるよ…」
一度も当たらないボールが可哀想になって、気付くとそう言っている俺。