Tの存在 ~jr.研究員ミッション~
でも結局暗くて成績ばかりの頭でっかちの俺は上回ることはできない。
ただ成績が良くても
彼女は俺の親じゃない。
結局成績が良くても誰もうれしくない。
なんで勉強しているんだろう。
そうだ
いっそバカになろう
けれど成績が下がらなかった。
俺はいつもびりにいた桐谷がうらやましかった。
バカだからって
いつも吉良に教えてもらってた。
「俺が代わろうか?」
吉良が原稿が間に合わないとき
助けるのは
俺じゃなかった。
「おい、ぼけっとしてんな。」
成績がとことん悪い彼に怒られると
腹が立つ。
でも事実は受け止めていた。
あいつはスポーツバカだ。
スポーツは優秀でオリンピックにも出た。
でもメダルは取れなく引退した。
でも彼女は彼にぞっこんだったのかもしれない。
ふたりとも両想いなんじゃないか
って思った。
「桐谷剛のことやけに気に掛けるね。」
「そう?」
「うん。」
「でも彼、何気なく私のフォローしてくれてるのよね。」
「・・・。」
「私、あんな人初めてなんだー。」
「・・・そっか。じゃっ・・・じゃあ。」
「何?」
「付き合っちゃえば?」