Tの存在 ~jr.研究員ミッション~

「付き合うー?」

「そ・・・そうだよ。」

俺は何言ってんのかわかんなかった。

「海斗君。それはないよ。」

「・・・え?」

「だって、経済的にきついだろうし。」

彼女は否定したんだ。

彼と一緒になることを。

「・・・だよな。」

俺は安心していた。












卒業式

俺は、ある瞬間を見てしまった。

「今日の卒業式感動だったよな。」

「そうだね。海斗君無事に卒業できたんだし。」

「・・・海斗君?あいつ、海斗だったっけ?」

「あ・・・確か。」

「そっか。」

吉良にお別れを言おうとしたときに、

あいつは

「俺、すっと思ってたんだ。」

「何を?」

「俺らいい組み合わせなんじゃないかって。」

「・・・。」

「これから、どっか食べに行かないか?」

「・・・いいけど。」

・・・。

イラついた。

なんで?

俺は否定したのに・・・って思った。

結局今こうしてみてみれば、

一緒になってるじゃないか

経済的にも不安はないじゃないか

・・・。

俺は安心していたのに。

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