Tの存在 ~jr.研究員ミッション~

「なぜです?!日本だけがヒーローですか!私は・・・納得いかなかったんです。」

「いいか!これは日本が見つけた星だ!絶対日本の手で成功させようじゃないか!」

「日本の技術は他国に劣るところもあるじゃないですか!なぜ協力を要請しないのですか!」

「相模!いい加減にしなさい!」

須田が相模を止めようとしたが

「須田部長!私はひとりの研究員、人間として意見を言っているのです!」

「それがただのわがままになってしまうこともあるのですよ!」

「部長はいいんですか!」

「!?」

相模は須田を見た。

「私は、確かに須田部長を尊敬しています。けれど考え方には納得できません。」

「納得できなくてもこれは上司の命令です。」

「わたしは拒否します。」

須田は、はっとなった。

今日の相模に自分の判断に任せる、なんていったからだ・・・

「部長、所長聞いてください。」

所長は黙った。

須田も黙った。

「そしてここにいる部長のみなさんも。」

部長たちはうなづいた。

「私たちは、この世界を汚くした国で、国民です。」
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