Tの存在 ~jr.研究員ミッション~
愛は空を見た。
「きれいだな・・・。」
「うん・・・きれいだな。」
俺も、窓辺に座った。
「りっくんも見てるかな。」
「あいつ・・・どうしてんだろうな。」
「・・・どうでもいいやあ。」
そういって愛は俺に寄り掛かった。
「・・・。」
なんか・・・
中学生以来だ・・・
俺は、中学生のとき
べたぼれした女子がいた。
そいつも・・・
「愛。」
って名前だった。
「愛!今日一緒に帰ろうよ。」
「ごめんー!海くん!今日は塾なんだ・・・。」
「・・・そっか。」
「またね!」
「・・・ん。」
中学三年生で結局別れちゃったけど。
卒業まで続くって思ってたのに・・・
俺はそのとき研究所に行きながら中学校へ行く
というまれな学校生活を送っていた。
「海くんはきっといい研究員になれるから!」
そういって卒業した。
俺は号泣したんだよなあ・・・
そんな思い出がよみがえってきた。