Tの存在 ~jr.研究員ミッション~

「さあねー。」

愛美は海にテキトーな返事をした。

「それにしても、愛美さん。御子柴からなんか聞いてます?」

「何?」

「・・・いや。なんでもないです。」

「・・・そっか。」

愛は俺のこと何か言ってたのだろうか。

嫌みかっ!

また!

あいつは、結構口下手なのか!?

感謝ってもん知らんのかー?

「海!郷田が動きを見せた!」

「?!」






TV画面を見た。

NEWSのトップだ。

郷田が、所長と一緒にいる。

『今日は、国民の意見を取りたいと思い、この国会議事堂に、市民から集めた意見を知事に市長が提出したものを各都道府県ごとに発表してもらいます。』

報道陣のカメラフラッシュがすごい・・・

『そして、今日はモリヤマ所長と、外交官と、天皇と私、4人で検討し、答えを出していきます。じゃあまず、北海道から・・・。』

そして意見交換会が始まった。

「これは郷田が、マニフェストのひとつとしていたよな。」

「これは、郷田の思惑が丸見えね。」

え?

愛美さんの言葉に驚いた。

「丸見え・・・って?」

「これって、研究所を一番にしたいわけよ。」
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