Tの存在 ~jr.研究員ミッション~

御子柴愛はまだ海のことを怒っていた。

「・・・まだ怒ってんの?」

調査中尋ねてみた。

「・・・。」

シカトは男にとってきつい。

「ねぇ・・・・。」

俺は頑張ってみたけど、なんか愛の威圧感が半端ない・・・

きっと声も震えてたと思う。

「俺、あんまり悪いことしてる感じがないっつーか・・・。」

ぶっちゃけそう思ってた。

「・・・。」

「だから、なんで怒るのかわからないっていうか。」

「・・・。」

「・・・・。」

なんだこの沈黙・・・。

土の調査は俺が一方的にしゃべっていた。

愛は優秀だからいっつもひとりでやっちゃう。

俺なんて報告係でしかない。

愛は、土のサンプルを俺に無言で渡した

「・・了解。」

俺はそれを受け取った。

相変わらずすごいなって思う。

愛って本当に優秀だなって。

でも人間性に欠けるよなー・・・

愛って友達も少ないし。

てか性格がコッロコロ変わりすぎる!

姉貴!って感じの時もあれば

かわいいな!って感じの時もある。

なんだかんだで、よくわからん。

でも、愛はいつも悩みを抱えていた。

なんでもかんでも人にはしゃべらないけど・・・。

自分で解決するもんだって思ってる。

俺だって信用されてるかわかならい。

たまたま相談しただけかもしれないし。

俺は、愛にとってどんな存在なのか

知りたくなる。

愛が俺のこと、どう思ってるのか。

・・・なんだろう。

なんていうか・・・

恋愛的じゃなくて・・・

俺の存在価値?

そんな感じ。

俺の存在価値。

どんな値打ちがするんだろう。

俺がオークションにかけられたら、

愛はいくら出してくれるだろうか。
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