Tの存在 ~jr.研究員ミッション~
「研究所が偉くなったらしいわ。」
愛美さんが作ってくれた弁当を泥沼公園で食べながら愛が言った。
残念ながら、俺のには箸をいれてくれなかった・・・
「マジ?!」
「さっき、ニュースみた。」
「お前、いつみんの?」
「研究所がくれたスーツのモードに通信機能があったじゃない?」
あぁ、腕に装備されてるやつか。
「あれを改造してたのよ。情報が受信できて、ほら、昔のツイッター的な感じになるのよ。」
「へー・・・すげーな。」
「まぁ、ちょろいもんんだわ。」
なんだこいつ・・・
謙虚のかけらもないぞ・・・
「私、こっちの生活好きよ。」
「なんだよ、いきなり。」
「だって、弁当があるじゃない?」
それだけの理由かい!
「私たち、ほとんどカプセルじゃない。弁当なんて贅沢なことしないわ。日本ではいいものがとれないし。科学的な食べ物よね。大気汚染とかいやだわ。」
「まあな、カプセルってあんまり噛まないしな。」
「だから、だんだん顎が鋭くなるのよね。」
「宇宙人みたいになったりして!」
「宇宙人ね~この前、須田部長が言葉を解析してみたらしいわ。」
「それも、情報の機械のやつ?」
「そうね。」
「それ、おれにも作ってよ。」
「じゃあ、次の弁当の半分は私のものよ。」
「・・・じゃあいーや。」
「ふっ、妥当な選択ね。」
俺らは仲良く食べた。
俺は思った。
大切ってあとから感じるって。
大切なものは、誰にでもあるものだって。
いつの日か、大切な気持ちも大きくなっていくんだ。
愛。