Tの存在 ~jr.研究員ミッション~

「契約っていうのはね、色々。」

「おいおい。そこ重要だろ。」

「あのな、御子柴さんの会社の後継者になるかわりに、御子柴さんと婚約だ。」

「はぁ?」

なんで?

なんで?

後継者?

「それって、俺らだけ得してねえか?」

「いいえ、後継者は代々男の子って決まってるのよ。」

「あ?んだそれ。」

「だけど、御子柴さんのお母さんは愛ちゃんを産んでからすぐ死んでしまったの。」

「・・・。」

「父親は、御子柴さんのお母さんに溺愛だったから一緒に死んでしまったのよ。」

「だから彼女も大変なんだ。」

「へぇ・・・。」

「んでな、研究所に来た御子柴社長がな、陸を推薦したんだ。」

「わたしたちは拒否したのよ!?」

「なんで?」

「だって陸がいなくなるのは嫌だもの。」

「だけど、まだ幼かったから陸が愛ちゃんと一緒だったら別にいいやーとか言っちゃって。」

「あぁそれで契約しちゃったのね・・・。」

「だって陸が!」

お母さんはなぜか必死。

まぁいいけど。

・・・契約か。

アイツ知ってんのかな?


『いいなぁ海は。』


アノ言葉・・・そういう意味か。
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