【短編】月と星
私とセイは家が隣で生まれた時からずっと一緒だった。



何をするのも、どこに行くのも一緒で、いつも手を繋いで毎日が楽しくて仕方なかった。



『大きくなったら結婚しようね』



何度したか分からない約束。









あなたが私の目の前からいなくなったのは小学五年生の時だった。



夏から秋へと季節が移り行く頃。






『俺、引っ越すんだ。』





目の前が真っ暗になった気がした。



何度も泣いて引き止めた。


『行かないで!行かないで!』って。






あの時セイはどんな気持ちだった?



悲しかった?



悔しかった?



寂しかった?



心細かった?




不安だった?









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