前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



婚約。
英語ではエンゲージ。


綴りは確か……いや、なに言ってるのこの人?!


婚約ってのは将来を誓い合う結婚のお約束!

あたし、この人と結婚するから、予約として婚約しちゃいましょうってのがエンゲージっ!


なんで三度目ましての人と婚約したいとか言っちゃってるの?!


「じょ、冗談やめて下さいよ。婚約なんて」

「冗談じゃないさ。僕は君と婚約を前提にお付き合いをしたい」


「俺は男っすよ!」

「僕は女だが?」


何か問題でも?
首を傾げてくる御堂先輩は婚約を成立させるには十分すぎる条件だろ、と問いかけてくる。

確かに条件はクリアしているっす。

だけどですね、俺は貴方の大嫌いな男なんっすよ。


なにより、どうして俺なんっすか!

他にも良い男がいるっすよ!


俺の主張に御堂先輩は嫌だと返した。

すっぱり他の男は嫌だと返し、「僕は男嫌いなんだ」と不機嫌になる。


じゃあ俺は? おにゃのこに見えるとでも?


「昨日、君と会話し、その体に触れて一晩考えてみたんだ。確かに君は男だった。まごうことなき男だった」


ウワァアアア! 誤解っ、発言に誤解がっ!

ち、違うんっすよ!

俺達、やましいことなんて全然してませんからっ……、紅茶を啜りながらイチゴ大福を食っただけの関係っすからぁあ!

だからそんな目で見ないで下さいっ、大雅先輩っ、鈴理先輩ぃいいい! その他諸々の方々っ! 俺は無実っす!

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