前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―
まさか親衛隊に豊福観察帳をつけられていたなんてっ。
しかも指示したのは御堂先輩とか、なあにしてるんだよあの人。
親衛隊を無理やり応援団に強いていた記憶はあるけど、まさかまだ繋がっていたなんて。
親衛隊がおとなしく指示に従っているのは御堂先輩が怖い他ないだろう。
なんたってあの人にベルトを持たせたら、鞭のように振るうんだからな。
男には容赦しないタチだし。俺を観察しても得なんてないと思うんだけどな。
俺は涙を流している親衛隊を見なかったことにして図書室に向かった。
奴等と関わったらロクなことがないからな。
御堂家に居候することによって俺の勉強時間は大幅に増えた。
誰に言われたわけでもないんだけど、婚約者ならこれくらいは知っておかないといけないんじゃないかって思って自主勉に励んでいる。
それは英語だったり、経済だったり、経営システムのことだったり、社会常識マナーだったり。
具体的にどんな勉強をすればいいのか分からなくて、御堂先輩に相談を持ちかけた。
そしたら御堂先輩に、そんなに気張らなくて良いって苦笑された。
いやそうは言ってもそれなりに見合う男になりたいって。
既に出身とルックスでちーんなのに。
婚約者は俺の切な気持ちを酌んでくれた。
一緒に勉強しようって部屋に招き入れてくれたんだ。
御堂先輩の部屋は凄かった。
やたら演劇に関する本が本棚に納まっているんだ。
よっぽど演劇が好きみたいで、本当はそっちの道に進みたいんじゃないか? って思うほど。
彼女に尋ねると、「演劇は続けていきたいんだ」食べていけなくても良い、けれどどこかで関わっていきたいものなんだと俺に教えてくれた。
昔からお芝居を観るのが好きなんだって。
演劇にはとても情熱を注いでいるみたいで、彼女の机上には台本で散らかっていた。
折角だから俺は勉強の合間に演劇た部活について教えてもらうことにした。
役者としての心構えとか、舞台裏とか、先輩後輩の関係とか。
それは活き活きと語ってくれた。
いつになくプリンセスの表情が和らいでいたから、聞き手の俺も嬉しくなったよ。
夜食を持って来てくれた蘭子さんが御堂先輩の表情に、「愉しそうですね」本当に微笑ましそうに笑っていたよ。
それだけ彼女の演劇に対する思いが表情に反映されていたんだろう。