前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―

09. Paradise Lost－孤独－

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ふむ、浮気とはどうやるぞやもし。

まず魅力あるナンパとはなんぞやもし。
　
　

俺は自分に自問自答していた。


携帯のネットによると、浮気って男はばれやすいけど女はばれにくいんだってさ。


ばれたとしたとしても女の場合は完全犯罪のごとく、男に責をなすりつけるんだとか。

それだけ女性は恋愛にしたたかで巧みなんだと。
　

例えば、彼氏が構ってくれなくて女は寂しい思いをしていた。


ある日、飲み会に行ってしまった彼氏。

自分よりも飲み会を優先してしまった彼に嘆いていると、親しい男が慰めて一緒にお酒を、挙句の果てに癒しのベッドイン。


事が彼氏がばれても彼女は貴方が飲みに行かなければ、それこそ構ってくれていたらこんなことはしなかったと責を返された。


傍目から見れば彼氏が悪いけど、いや待て待て待て！　だからと言って寝ていいのかい？　寝ては！


それとこれとは別問題だしょ！

寂しかったからですべてが許されるなら、世の中の離婚率はグンと下がるだろうに。
　

倫理的に考えても寝ると寂しかったは線引きして考えないといけないんじゃないだろうか？


これが男の場合だったら、

「あんた女々しいわよ！　サイッテー！」

のバチンバチンで往復ビンタだろうに。

浮気する男より浮気する女の方がタチが悪いぞ！
　

と、ここまで俺が熱弁するのは俺が一生懸命ネットで調べたからである。


浮気ってコッワー！　なのが正直な感想だ。


そんなサイテーでコッワー！　なことをしようとしているのが俺、豊福空である。


事情があったとしてもこれは立派な犯罪で浮気。

嗚呼、胃が痛い。
胃痛持ちになりそうだ。
ほんっと吐きそうなんだぞ？　これでも。
　

おかげさまですっかりさと子ちゃんと気まずい雰囲気になっちまったし。


朝起きて事務的な挨拶をしたら終了！

お互いに、てか一方的に目を合わせてくれない。怒ってらっしゃる！


御堂先輩にだけは知られたくない今回の出来事なんだけど、彼女のあからさまな態度を見たら「喧嘩でもしたのかい？」と容易に察されてしまう。

只でさえ聡い人なんだ。


俺達の空気をあっという間に読んでしまった。


俺の王子、とても恐ろしい子！