多々なる世界の〇〇屋【企画】
今にも零れ落ちそうな涙を、さっとぬぐってやった。
「その忌まわしい涙で、貴女の顔がぐちゃぐちゃだ。誰かのためと思って、泣かないでおくれ」
声を柔らかボイスにして言う。
「そう・・・ですか」
しばししゃくりあげると、彼女はニコリと笑った。
「そうですよね!もうっ・・・さっぱり忘れます。ビール下さい!」
「はいぃ!」
なんと開き直りの早いこと。
まぁ、いっか。
そう思いながらビールを注いだ。