多々なる世界の〇〇屋【企画】
桜羽は、先程の黒田の奇妙な行動について聞いてみることにした。ゆっくりと黒田に歩み寄る。
「・・・おい」
黒田が振り向くと、桜羽は険しい顔つきで聞いてみた。
「お前・・・さっきなんでああもそわそわしてたんだよ」
「してたか?」
「してたよ。怪しすぎだっつうの」
そう言ってやると、黒田は全く返事としてふさわしくない言葉を口にする。
「電話」
「あ?」
「電話、貸してくれ」
「そんなもん、何の意味が・・・」
そう言いかけた瞬間、黒田が本気らしい声で言う。
「今日しか・・・文香の命日しか、チャンスがないんだ」