童顔教師が居候。
…校舎を出ると、裏門まで連れて行かれた。
そこには、1台の赤いワゴン車。
「えっ、車で送ってもらえるんですか?」
驚く私をみて、けらけら笑う鰯。
「当たり前だろ。つか歩くのだるくね?」
バンッと音を立てて後部座席の扉が開いた。
「…どした?早く乗れよ。」
…これは本当に鰯なの?
未だ自分の中の疑いは晴れていなかった。
こんなに頼れる人じゃないし、第一、こんなカッコよくないでしょ!?
だいたいさっき、「雀」って…なんで下の名前で呼んだんだろ?
あと…「昔から」とか言ってなかった?
「雀!はやくしろよ!」
はっ!と我に帰り、遠慮がちに座席に腰掛ける。
またもバンッと音を立てて、扉が閉められた。