童顔教師が居候。
「隣の家のお兄ちゃん」
キーンコーンカーンコーン
…虚しく鳴り響くチャイム。
…ほぼ白紙状態の解答用紙。
「はーい終了!後ろから集めてくださいっ!」
「…っ」
私、仲森雀は絶望の淵に立たされていた。
昨日の出来事を思い出すと、まだ信じられない自分がいる。
あれは本当に目の前に立っている男、「鰯 亮介」なのか。
何故彼は私の家を知っていたのか。どうして「雀」と呼んだのか…
だがそんなことはどうでもいい。
今…考えなければいけないのは…英語のテスト。
「もー無理!さっぱりわかんねぇ!」
「ありえねぇってマジ。」
テスト回収が終わり、それぞれに席を立つクラスメイト。
唯ちゃんは眉を寄せながら私の席に近づいてくる。
「雀!ほんと無理!英語の長谷川鬼じゃね!?」
・・・そう。英語の女教師、「長谷川 真由美」。
若くて美人で有名だが、おそらくこのクラス誰ひとりとして好いている者はいないであろう教師。
それは何故かというと・・・・