童顔教師が居候。



…つまらない授業も終り、放課後。
今日は唯ちゃんとクラスメイトの七海ちゃん、柚月ちゃんとカラオケに行く約束をしていた。
楽しみに待ってたんだなー!この日を!
テストのストレス発散しようっ!



「雀!行くよぉ」




唯ちゃんと二人で待ちあわせのカラオケボックスに向かう。
坂道が多いけど、これからの楽しみを考えれば、辛くもなんともない!



「雀さ…翔太、どうするの?」




唐突の質問に、驚いて足をとめた。




「せっかく同じクラスになれたんだし…言ったほうがいいんじゃない?」




そう。翔太は顔もかっこいいし、スポーツ万能だし、頭もいいから女の子に凄く人気。
私はいつも出遅れて、他の子の告白を見ていることしかできなかった。
翔太が告白を受け入れたらどうしよう。いつもそのことばかり気になって・・・。
告白しても、自分も他の子と同じように振られてしまうんじゃないか。
そしたらもう話もできないのかな?なんてマイナス思考に走ってしまう。



「唯ちゃん…私、夏休み告白するよ。」




これで終わりにしよう。これは1つの決意。




「…うん。大丈夫。翔太と雀ってさ…似てるじゃん?真面目なとこも、一生懸命なとこも・・・顔がいいとこもねっ!」




「えっ!?いやいや最後のはおかしいって・・・翔太は顔もいいけどさぁ!…唯ちゃんも!!」



いつの間にか歩き出した私たちは、大声で笑いながらお互いをべた誉めし合っていた。



七海ちゃんと柚月ちゃんと無事合流し、恋バナしたり歌ったりふざけたり。
予想以上に二人と気が合って、凄くカラオケは盛り上がっていた。



なのに…こんな楽しい中でも、ふとした瞬間先生のあの顔が浮かんで…。
必死で忘れようと、マイクを強く握った。







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