童顔教師が居候。




「亮介くん…っ」



消えそうな声で一人呟く。
会いたくて会いたくて仕方なかった人。
本当にどうして気付かなかったんだろう。
クラスの担任で、すぐ近くに居てくれたのに。





…そういえば鰯先生は、なんだかんだでいつも優しかったな。
無くなった私のシャーペン、夜まで一緒に探してくれた。
体育で転んでできた傷に、絆創膏を貼ってくれた。
テストの点が良いと、「えらいっ」って言って頭を撫でてくれた。






今まで周りに「あんまり好きじゃない」なんて言ってきたけど…
本当は…照れくさかっただけかもしれない。






鰯先生の…亮介くんのこと…本当は…













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