童顔教師が居候。
「…すずめ」
ドアの向こうから遠慮がちに声がした。
それはいつもの高い声じゃなく、低くて男らしい声。
「ごめんな。黙ってて…お前に気付いてほしかったんだ。」
…そんなのわかってるよ。
あの時の顔が忘れられないもん。
「…部屋、入れてくれないかな?話がしたいんだ」
聞きたいこと、山ほどある。
なのに今は聞いてはいけない気がした。
そしたら亮介くんがまたどこかへ行っちゃいそうで…。
すぐに扉を開けることができなかった。
「…心の整理ができたら、隣の部屋においで。」
…
「待ってるから。」
そういうと足音が遠くなっていった。