童顔教師が居候。
すぐにまた笑顔に戻った亮介くん。
「お母さんお父さんには、事情を説明してお許しを貰えました。むしろ住まなきゃだめ!!だって。お前の母さん、変わってないな!ははっ」
「・・・う、うん。」
「あとは娘さんの許可がおりれば、晴れて居候生活の始まりです!」
「う、うんっ」
「…雀さん。僕と一緒に住んでくれますか?」
・・・・!!
後ろに隠し持っていたのか、いきなりあの分厚い眼鏡をかけて高い声で言った。
それはまぎれもなく・・・鰯で・・・・
さらに甘えた声でもう一言。
「雀さん・・・お願い❤」
「・・・っひぅ!!!」
ぞぞぞっと背筋が冷えていくのがわかる。
とんでもなく潤った瞳をぱちぱちとわざとらしく開け閉め。
この男・・・・また私をからかってっ!!!
「ぶっはぁー!雀マジ顔赤ーい!!何何?お前もクラスの奴らと同じで俺のこと…可愛いなんて思ってるわけ!?ははははっ」
眼鏡を外し、げらげら笑う亮介くんをみて、私の怒りが頂点に達した。
勢い良く振り上げた右手に、ようやく気付いたこの馬鹿男。
「…自惚れんな。」
そう捨て台詞を吐き、一階へ戻るときには亮介くんの頬は真っ赤にふくれあがっていた。
そして不機嫌そうにその腫れた部分をさすりながら
「・・・暴力女・・・」
とボソッと呟いた。