童顔教師が居候。


…ようやく放課後。


机の中の教科書をカバンに突っ込みながら、明日のテストのことを思い出す。
明日HR、英語のテストかぁ…最悪。
よりによって鰯のいるHRかよ。女子が騒ぎそうだな…集中できんのか私。


「起立!令!」



ガタガタと騒がしく椅子をしまうクラスメイト。
今日は一斉下校だ。
部活も掃除もない。すぐ帰宅しろってこと。


早く帰って勉強したい私は、早々と教室を出た。
校門を抜け、学校を後にする。



「すーずーめー!」



あっ。しまった。
唯ちゃん置いてきた。

振りかえると案の定、しかめっ面の唯ちゃん。



「なんで置いてくのよー!疲れたぁ」



走ってきたらしく、息が上がっている。
悪いことしちゃったな…。



「ごめんごめん!テストのことで頭がいっぱいだったの!」



「あ、明日かー英語。…ん?てかさ…雀の机の上に、英語の教科書置いてあったよ?」




…うそ。
忘れてた!考えごとしてて、しまい忘れたんだ!!
最悪だぁ~…また引き返さないと…



「ああああ・・・・ごめん唯ちゃん。先帰ってて!」




もう一度来た道を引き返す。
暗くならないうちに…急がなきゃ!



気付くと走り出していた。


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