童顔教師が居候。
「なぁ雀、勝負しよーぜ!」
食後、お風呂上がりにいきなりそんな事言ってきた亮介くん。
勝負?なんの?
「花札!…花札っつったら賭けごとだよな。うん。」
どこから出したのか、その手には花札が。
満足そうに一人頷きながら、器用に札を並べていく。
私、まだやるなんて一言も言ってないのに…。
まぁ、亮介くんのストレス発散になれるんだったらいくらでも協力するけど。
「三回勝負。負けた奴は相手の言うことを3回、何でも聞くってのは?」
うん…なかなか魅力的な賭けだ。
あの亮介くんに、いろんなことを命令できるなんて!
結構花札には自信のある私は、あっさりとその話に乗ってしまった。
これから起こる不幸を知らずに…
「花見でいっぱい!」
「猪野鹿蝶!」
「青たん!」
…私、仲森雀は今大ピンチです。
まさかまさか賭けごとの勝負に全敗だなんて!!
しかも負けたことのない花札で!!
「はぁ~楽しかったなぁ~っと」
余裕の笑みを浮かべ、札を片づける亮介くん。
まさかこんなに強いなんて…。
これなら大会とか出れるんじゃないの?
いや、今はそんなことどうでもいい。
果たして、どんな命令が下されるのか。
全く予想もできない。