ヤンデレな弟はお好きですか?


ハチャメチャな論理を語る冬月から京都弁が剥がれる。


感情的になると必ずこうなってしまう。自覚しているが直す気もない冬月の京都弁が戻ったのは、二十ほど溝出を踏みつけてからだった。


「まあええ。あんさんに構うとる暇はない。兄さんはおるぅ?」


「ぐ、ぐぬぬ……。てめえ、覚えてろよ……」


「はよぅ、言え」


「わ、わーった、わーった!だから刀を納めろよっ。秋月はいねえぞぅ。出かけてる。俺は秋月の部屋のけるべるすだ」


「ケルベロスどす。なにぃ、またテレビ見たん?」


「てれびじょんだっ、間違えんな!てれびだなんて略称、てれびじょん様に失礼じゃねえかあ、こらあぁぁっ。てれびじょん様はな、俺たちに夢や希望を――って、聞けや、おういぃぃ!」


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