人生ゲーム【リメイク】
「あそこで説明を聞いてもらった後で棄権は可能です」

その言葉に幾分か光は安心した。

とりあえず話だけ聞いたら帰れるのだ。

さっさと話を聞いてすっきりして帰ろう。

光はドアの取っ手を回して中へ入った。

中へ入ると光の予想に反し案外普通だった。

今までは完全に暴力団のアジトへ足を突っ込んだ気分で、正直ド派手なスーツを着た人がゴロゴロいるのではないかと思っていた。

しかしそんなことはなく、中にいたのは自分となんら変わりない一般人であった。

老若男女様々で、富裕層もいれば自分のよりも貧しそうな人もいる。

電気がついていないのではっきりとは分からないが、大体50人弱はいるだろう。

全体的に静かだが、ひそひそ声で会話をしている人間もいる。

「よっ!兄ちゃん見ない顔やな」

隣で壁にもたれている人物に声を掛けられた光は肩をびくりと震わせた。

「あ、はい･･･初めてなんです」

ここは東京。

慣れない関西弁に光は戸惑い思わず敬語で返した。

「ってことは誰かから招待状をもらったんか？」

「はい。それよりこれって何なんですか？」

関西弁で喋る男はにやりと不敵な笑みを浮かべた。

「俺はここが人生の門出になったわ。天国か地獄か･･･どっちに足突っ込むかは自分次第やで」

結局誰もはっきりと問いに答えてくれない。

「ま、もうじき始まるから身を任せたらええねん」

ちょうどその時、辺りが一気に明るくなった。





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