人生ゲーム【リメイク】
光は眩しさで目を細めた。

視界が一気に開けて辺りの様子がはっきりと見えるようになった。

コンクリートで囲まれた部屋は少々カビ臭い。

装飾品は何もなく、ただの四角い部屋である。

辺りをキョロキョロ見回すと光はあるところで目が止まった。

「あ!」

思わず声を出してしまい自分の口を手で覆った。

目が合いそうになったので慌てて外した。

反対側の隅にいたのは、昨日すれ違ったあの高級外車に乗っていた青年だった。

高級外車がうろついていたことに合点がいった。

これに参加するためだったのだ。

「なんや、知り合いでもおったんか？」

「いえ･･･なんでもないです」

光は知らないふりをした。

「えー。みなさんお待たせしました」

突如部屋に男の声が響き渡った。

一斉にその人物の方へ視線が集まる。










「これより第8回目のゲームを行いたいと思います」










男は見た目が60歳前後で白髪が所々に生えている。

目元が垂れているせいか、おっとりしたイメージを光に与えた。

「初めての方もいらっしゃると思いますのでご説明します」

光はごくりと生唾を飲み込んだ。

「ここにいらっしゃるのは選ばれた方々です。ゲームに参加できるのは最大で50名。招待状を持っている方のみです。ゲームは毎回内容を変えて行われます。今回の内容は･･･それはまだお楽しみにしておきましょう。しかしゲームの内容は違えど主旨は同じ。勝者は大金を手にすることができます。一方で敗者には負債を背負っていただくことになります」

男があまりに笑顔で言うので光はその言葉の重さを理解できなかった。

「負債･･･?」




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