人生ゲーム【リメイク】
光は契約書に一通り目を通した。
「あの・・・この6番がよく分からないんですけど」
とりあえず隣の関西人に質問した。
「ああ。これね。あんたは誰かから招待状をもらってここに来てるんやろ?もしあんたがここのことを他人に話すか契約書にサインせずに帰ったらそいつに負債1億がかかるってわけ」
光の脳裏に亮介の姿が浮かんだ。
「1億って・・・!何でそんなことになるんですか!?」
「ここの主催者は何が何でも50人集めたいねん。毎回人数にばらつきがあったらゲームの内容によっては実施できない場合があるやろ。だから必ず50人に参加する権利を持たせておく。やりたくないなら代わりの者を見つけてこいってわけや。あんたに招待状を渡した人は前回この契約書にサインしてるはずやで。ちなみに俺はこのゲームは3回目や!」
つまり人に譲渡しない限りはずっと参加権を持つことになる。
「俺が参加しなければ亮介に1億が・・・」
光の用紙を持つ手が震えた。
どうすればいい・・・?
こんなゲームやりたくないのが本音だ。
「紙っぺら1枚に何の効力もないだろ。こんな契約無効だ」
常識的に考えてこんなのおかしい。
「表社会のルールはここでは通用せえへん。これにサインしたら裏社会のルールに従わなあかん。従わなかったときにどうなるかなんて俺は知らんで」
同じぐらいの背丈なのに隣にいる男を光は大きく感じた。
というよりは恐ろしかった。
亮介はこのゲームでどうなったのだろう。
気になるが知りたくなかった。
もし勝者になって大金を手にしたならあんなに神妙な面持ちで招待状を渡しには来なかったはずだ。
ここで参加を拒否すればさらに1億が亮介に課される。
光は悩んだ。
頭を過ぎるのは小さい頃施設で共に育った亮介。
光はペンの蓋を外した。
「おっ。これで俺らと同じ土俵に上がったことになるで」
男はペンを走らせる光を覗き込んだ。
「ふーん。東條光くんか。俺は南沢猛や。出身は大阪。よろしくしてな」
「あの・・・この6番がよく分からないんですけど」
とりあえず隣の関西人に質問した。
「ああ。これね。あんたは誰かから招待状をもらってここに来てるんやろ?もしあんたがここのことを他人に話すか契約書にサインせずに帰ったらそいつに負債1億がかかるってわけ」
光の脳裏に亮介の姿が浮かんだ。
「1億って・・・!何でそんなことになるんですか!?」
「ここの主催者は何が何でも50人集めたいねん。毎回人数にばらつきがあったらゲームの内容によっては実施できない場合があるやろ。だから必ず50人に参加する権利を持たせておく。やりたくないなら代わりの者を見つけてこいってわけや。あんたに招待状を渡した人は前回この契約書にサインしてるはずやで。ちなみに俺はこのゲームは3回目や!」
つまり人に譲渡しない限りはずっと参加権を持つことになる。
「俺が参加しなければ亮介に1億が・・・」
光の用紙を持つ手が震えた。
どうすればいい・・・?
こんなゲームやりたくないのが本音だ。
「紙っぺら1枚に何の効力もないだろ。こんな契約無効だ」
常識的に考えてこんなのおかしい。
「表社会のルールはここでは通用せえへん。これにサインしたら裏社会のルールに従わなあかん。従わなかったときにどうなるかなんて俺は知らんで」
同じぐらいの背丈なのに隣にいる男を光は大きく感じた。
というよりは恐ろしかった。
亮介はこのゲームでどうなったのだろう。
気になるが知りたくなかった。
もし勝者になって大金を手にしたならあんなに神妙な面持ちで招待状を渡しには来なかったはずだ。
ここで参加を拒否すればさらに1億が亮介に課される。
光は悩んだ。
頭を過ぎるのは小さい頃施設で共に育った亮介。
光はペンの蓋を外した。
「おっ。これで俺らと同じ土俵に上がったことになるで」
男はペンを走らせる光を覗き込んだ。
「ふーん。東條光くんか。俺は南沢猛や。出身は大阪。よろしくしてな」