人生ゲーム【リメイク】
猛は首を横に振った。

「それについては誰にもわからへん。監禁されて一生働かされるとか…臓器取られるとか色々噂されてるわ。俺もまだ3回目の新人やしな」

「猛はこのゲームで勝ち続けてるの?」

「いや…1回目は2億儲けて2回目で5千万すったわ」

桁の大きさに光は目眩がした。

「ここで重要なのは初回でとれだけ稼げるかやで。そしたら2回目は少々負けても痛くないしな。ただ初回を運だけで儲けて味しめたやつが2回目で大損する場合もあるけどな」

「人生ゲームなんて結局運じゃん」

光は口を尖らせた。

すると猛はちっちとわざとらしく舌を鳴らした。

「運なんて多くても20%ぐらいでいい。あとは全部ここや」

猛は光の頭を指差した。

「この世界では頭のキレるやつが勝つ」

光は頭を抱えた。

「そんなん真っ先に俺負けるパターンだ。まともに学校も行ってねぇし」

「あほ!!」

スパンと猛の平手が光の頭にヒットした。

「足し算引き算なんてできんでええ。周りを観察して流れを読む能力があれば勝てる。まぁゲームを経験したら分かるわ」

いまいち猛の言葉の意味がわからず光はもう1度尋ねようとしたが、突如辺りに目覚まし時計のようなけたたましい音が鳴り響いた。








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