人生ゲーム【リメイク】
37番と40番が会話をしているので光はそこをターゲットにした。

「あの、俺も会話に入れてもらっていいですか?」

37番の上野大地は光と目を合わせた。

「もちろん」

爽やかな青年は光より少し年上で20代後半に見える。

「俺は上野大地。年は27歳でIT関係の仕事をしているんだ」

大地と喋っていたもう1人も口を開いた。

「俺は八田祐二。今年で三十路になる。こいつと違って冴えないフリーターだよ」

光も先程と同じように簡単な自己紹介をして詮索を始めた。

「お二人は初めての参加なんですか?」

2人は揃って首を振った。

「俺は5回目だよ」

このゲームの第1回から4回まで参加していたが大地は1度他の人に参加権利を譲渡した。

しかし大地から譲渡してもらった友人が第7回で大敗してしまい、権利を突き返されてしまったのだ。

「また参加するか迷ったけど、あいつの負債を返すぐらいは稼がないと」

大地は友人の負け分を取り戻すつもりで参加していた。

一方八田祐二はこれで3回目。

1年の生活費を稼ぎにきているという。

スリルがあって止められないし、勝てば働かなくていいと祐二は盛り上がっていた。

非常に参加理由が軽いように光には思えた。

ルーレットは3回目を終えて、先程喋った有樹は4マス進んでいた。

次は猛の番。

猛は2番手だった中年男性の山田と少し喋った後、41番の井野薫という少年と話しこんでいた。

光は大地と祐二から離れて猛の様子を伺った。

「ストップ」

ルーレットはゆっくり速度を落としてピタっと止まった。

「7やな」

猛は光にウインクを飛ばすと軽快に進んだ。

空中を見上げると、猛のところには「バイトでボーナスをもらう。+3万」と表示されていた。

光は安心するとまだ話しかけていない45番と48番も元へ向かった。

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