人生ゲーム【リメイク】
2ターン目が始まった。

1度経験すると大方の要領が理解できた。

次々にルーレットが回る。

9人が終わるのを待たないといけないので、始めは食い入るように見ていた光だが、だんだん飽きてくる。

何人かに追い抜かされた。

「よっ。光」

猛は光の1マス先で止まった。

「ラッキー。落し物拾ったわ」

猛は落し物から2万円を得ていた。

「全員の情報手に入ったか?」

「俺以外の初参戦は有樹さん・中井さん・吉川さんの3人だよ」

「あと瀬戸桃花もや。さっき話ちょっとしてきた」

光は待っている間に聞いた話をできるだけ詳しく猛に話した。

「なるほど。ご苦労さん。瀬戸桃花は桜木有樹と状況が似てるな。姉と2人暮らしで生活費が必要らしいわ」

猛曰く若い女性のプレイヤーは結構家庭の生活費などを理由に参加する人が多いらしい。

「競馬とか見たら分かるけどギャンブルを楽しむのは男の方が多い。ここも一緒で男はスリルを求めて参加したりするやつおるけど女はあんまりおらんな」

光の脳裏に八田祐二が浮かんだ。

「情報を聞き出すのはいいけど、迂闊に自分のことをペラペラ喋ったらあかんで。光はすぐ騙されそうやしな」

「そんなこと・・・!!」

ない、と言いたかったが断言できる自信がなかった。

「ほら、次始まるで」

猛と話していたらいつの間にか順番が回ってきていた。

光は「スットプ」と声を発してルーレットを止めた。
< 32 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop