人生ゲーム【リメイク】
「はぁはぁ･･･」

200メートル全力疾走していきなり止まったので呼吸が乱れた。

光は膝に手をつきながら大きく息を吸って吐いた。

「お疲れさん」

猛が光に労いの声を掛けた。

「桃花ちゃんは･･･」

心配なのは勝負の行方だ。

何とか1番でバトンを渡したものの後ろとの差は1秒もなかっただろう。

「今2位や」

目で追いかけると桃花は1位から少し離れたところで走っていた。

後ろにはすぐ3位の人物が迫ってきている。

「桃花ちゃーん!頑張れ!!」

声援を送っているのは光だけではなかった。

周りからも様々な声が飛び交っているので桃花に声が届いているとは思えなかった。

「おい、こらデブ!!!それ以上差つけられたら承知しねぇからな!!!」

汚い罵声が隣から聞こえてきた。

光は横を見るといかにも体育会系な雰囲気の男が歯をぎりぎり擦り合わせていた。

「何であんなやつがチームにいんだよ」

「ほんとに」

それに同調したのは彼らと同じチーだと思われる女だった。

トラックに目を向けると確かに5位の巨漢は贅肉をタプタプ揺らせながら走っている。

どんどん4位との距離は開くばかり。

同じチームなのにまだ罵声を浴びせられている彼に光は同情した。








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