人生ゲーム【リメイク】
第七走者は八田祐二。

もうすぐ三十路を迎える彼はここ数年運動とは縁がない。

しかし細身で余計な肉はついていないので第二走者の彼のように置いていかれることはなかった。

緑が祐二の前へ割り込んできた。

「このやろ･･･」

負けず嫌いの祐二はもっとスピードを上げようと足に力を込めた。

赤と緑の攻防は激しく、祐二は何とか前の青年を抜かそうとするがあともう少しの所で抜き返せない。

第八走者の今野たかしが不安げに見守っている。

たかしは第二コースでバトンを待っている。

仕方がないので祐二は一歩外側へ足をずらした。

その時だった。

祐二の左足と緑チームの青年の右足が絡まり2人も転倒してしまった。

「あ!!!」

光も含めその場にいた全員が思わず声を上げた。

「痛って･･･」

お互い一瞬何が起こったのか分からなかった。

祐二の膝からは血が流れている。

「バーチャル世界なのに痛み感じるのかよ･･･」

立ち上がろうとした時、2人の右側から黄と青と紫のバトンが過ぎ去っていった。

まずい。

完全に上位下位が逆転した瞬間だった。

祐二と緑のプレイヤーは立ちあがって何とか第八走者にバトンを渡した。



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