人生ゲーム【リメイク】
「他に仲間になりたいって言ってきたやつがおったら教えてな」

「分かった」

一応了承の返事をしたが、まず仲間になりたいと思った人間は猛に電話するだろう。

「よろしくな。じゃあまた何かあったら連絡して」

電話を切るとどこからか視線を感じた。

顔を上げて前方を見ると、7メートルほど先から井野薫が光をじっと見つめていた。

先程まではいなかったのでこの回で光を追い抜かしたのだろう。

猛との電話に夢中で気がつかなかった。

光は一応目が合ったのでペコリとお辞儀をしたが、薫は返さずに視線を外した。

「なんだよ･･･」

せっかく挨拶したのに。

愛想がない薫に苛立ちを感じた。

薫は猛と知り合いだから初参加ではない。

まだギリギリ未成年なのにこのゲームに連続で参加するのには何か深い理由があるのだろうか。

黒縁眼鏡を掛けていていかにも真面目そうである。

話しかけて色々探りたいが、話をするのには距離があるしまた無視されるのが嫌だったので光はゲームの成り行きを空中を見上げて観戦することにした。



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